東北関東大震災の被害に合われた方、そのご家族、そして日本の現状に心を痛めているみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。

 

大地震、津波、そして原発事故を、報道や日本の家族からの連絡で見聞きし、私はたいへんなショックを受け、ことばが出ませんでした。被災され、愛する家族、ともだち、家、街、仕事を失ってたいへん辛い思いをしている方々が、寒さに震え、不自由な生活を強いられ、おなかをすかせている様子を知り、いてもたってもいられません。胸が張り裂けそうです。

 

東北地方に私の家族や親族はほとんど住んでいないのですが、カウンセリング技法を共に真剣に学んでいる仲間がおおぜい住んでいます。心理カウンセラー、保育士、精神科医、保健婦、教師、警察官、児童相談所職員の方々です。なんとか彼らは生き延びることができたようですが、日常生活でたいへんな苦労をしています。そんな中、自分の辛さをひとまず横に置き、専門家として人を助けるお仕事を一心不乱で遂行しています。体を休める暇もありません。彼らの姿を想像すると涙が出てきます。すぐかけつけてそばでお手伝いをしたい。そんな衝動に駆られます。

 

ご家族や郷里が被災された方々は、たいへんおこころを痛めていらっしゃることとお察しいたします。なにをしてあげたらいいのか、今帰ったほうがいいのか、ここに居たほうがいいのか、オロオロとしてなにも手につかないかもしれません。

 

また、被災の様子を繰り返しテレビの映像で見ることによって、被災したかのように、たいへん不安になったり、眠れなくなったり、涙が止まらない、体が疲れる、身体症状が出る方も大勢いることでしょう。私も津波の様子を見て、たいへん怖かったです。気持ちがどんよりして、こころのエネルギーがシューシューと音をたてて抜けてしまう感じがしました。

 

1000年に一度といわれる大きな災害なのですから、こういった反応が出ても不思議ではないと私は思います。まずは、ご自分の反応をきちんと認め、向き合ってあげて、充分自分をいたわってください。そして、お友達や家族に会って、「怖い、不安だ」という気持ちをことばにして分かち合ってください。こういうときには一人で心配や恐れに耐えなくてもいいんです。

 

こどもさんで不安になっている場合、簡単に災害のことを説明してあげたり、安心してあげられるようなことばをかけてあげてください。「地震や津波が起きたけれど、今は落ち着く方向に向かっているよ。みんなで助け合って暮らしているから、だいじょうぶだよ」と。また、抱きしめてあげたり、そばにいたり、スキンシップを多くするといいでしょう。

 

そして、専門家に相談してください。私は、今回の震災のことがきっかけで不安になられている方々には、無料で相談を承っています。気持ちをおしこめると後で心身の健康に影響が出てきます。私は、20年、30年後に、気持ちが解消できなくて心身の症状が後になって出てこられたクライアントさんとワークをした経験もあります。症状が出るまえに予防してくださいね。ネガティブな気持ちが出てくるのに、無理に明るくしようなんていうことも、私たちの心身にとっては優しいことではありません。


また、日本に被災したご家族をお持ちで、どのように支えたらいいか分からないという方などもぜひご相談ください。被災していないあなたが精神的に大きな反応があるのに放っておいたら、効果的にサポートすることができません。また、心理的に見て、被災者にこんなふうに接したらいい、これはしないほうがいいというポイントもあります。

 

今回のように大きくこころを揺さぶられるできごと、つまりトラウマを扱うことは、たいへん難しいので、どうぞ専門家の助けを遠慮なく受けてください。喜んでお手伝いいたします。

 

事態が早く収束し、自然が回復し、街が元のように平和な状態に戻るよう、こころよりお祈りしています。みなさまがご健康で安全に暮らせることを願っています。


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